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1.はじめに 僕は大学時代、将来のパソコンはどうなるのだろうと考えました。そして、将来のパソコンは、情報を伝えるという意味での紙に取って代わるだろうと予測しました。ディスプレイは液晶が進化して、とても薄くなり扱いやすい物となるのは想像出来ました。バッテリーも専門の人の努力で改良されると思えました。問題となるのはキーボードです。僕は、キーボードがどうなるべきか考え続けました。そして20代の中頃だったと思うのですが、キーグリップという装置を思いつきました。それから25年あまり、未だにキーグリップを普及させられずに居ます。そろそろ芽が出るのではと思い、ここで新しい論文を書くことにしました。 2.キーグリップ
キーグリップとは、図のような装置で、握って使う装置となります。ボタンは片手当たり5個となっています。このキーグリップはデスクトップパソコン用で、ノートパソコン用(と言うよりタブレット用と言った方が良いですが)としては、タブレットの左右が少し張り出した形となり、表面に親指用のボタンが左右一個ずつ。裏面には残りの片手当たり4個のボタンが配置された装置となります。
この様に、片手当たり5個のボタンしかありません。 3.組み合わせ 片手5個、両手で10個のボタン、普通に考えれば最大10種類の文字しか入れられません。どうやって沢山の文字を入れられるようにするのでしょう。答えは、複数のボタンを同時に押す組み合わせを利用するのです。10個のボタンを押す組み合わせは1024通りあります。この中に全部のキーを押さないという組み合わせが1通り含まれているので、実際には1023通りとなります。片手だと、31通りとなります。31通りでは少ないので、片手2回で31×31=961通りとなります。 4.2個押す組み合わせ ここで、片手5個のキーを押す組み合わせを考えてみます。1個だけ押す組み合わせは5通りあります。2個押す組み合わせは10通りとなります。3個押す組み合わせは10通り、4個押す組み合わせは5通りとなります。5個全部押す組み合わせは1通りとなります。これで全部で31通りとなります。 ここで、2個押す組み合わせについて考えてみます。 ●●○○○ ○●●○○ ○○●●○ ○○○●● ●○○○● ●○●○○ ○●○●○ ○○●○● ●○○●○ ○●○○● この様に5通り2系統に分けられます。 そして3個押すは、2個押すの反転、4個押すは、1個押すの反転となります。 1個押すと2個押すで5通り3系統ができます。1個押すから4個押すまでで5通り6系統となります。僕は、一連の発明で、この2個押すを5通り2系統に分類した所が一番の大発見では無いかと考えています。 日本語は「あかさたな はまやらわ がざだばぱ」と15個の塊があります。5通り3系統で丁度15個です。僕は日本語が神に選ばれた言語なのではと思うことが良くあります。 5.各組み合わせに対する50音の割り当て かむの各組み合わせに対する割り当ては以下のようになります。 左手 右手 小薬中人親 親人中薬小 ○○○●○ ハ行 ○●○○○ ア段 ○○●○○ マ行 ○○●○○ エ段 ○●○○○ ヤ行 ○○○●○ イ段 ●○○○○ ラ行 ○○○○● オ段 ○○○○● ワ行 ●○○○○ ウ段 ○○●●○ パ行 ○●●○○ ア行 ●●○○○ カ行 ●○○○● サ行 ○○○●● タ行 ○●○●○ バ行 ●○●○○ ナ行 ○●○○● ガ行 ●○○●○ ザ行 ○○●○● ダ行 左手の人差し指だけを押す組み合わせには、「ハ行」が割り当てられています。人差し指と中指を押す組み合わせには、「パ行」が割り当てられています。人差し指と薬指を押す組み合わせには、「バ行」が割り当てられています。 左手の薬指と小指を押す組み合わせには、「カ行」が割り当てられています。薬指と親指を押す組み合わせには、「ガ行」が割り当てられています。 左手の小指と親指を押す組み合わせには、「サ行」が割り当てられています。小指と人差し指を押す組み合わせには、「ザ行」が割り当てられています。 左手の親指と人差し指を押す組み合わせには、「タ行」が割り当てられています。親指と中指を押す組み合わせには、「ダ行」が割り当てられています。 このように、半濁音、濁音は、清音の軸となる指を押さえたまま、その一つ隣の指を一つ外側の指に変える事で実現しています。そうすることで覚え易くしています。 6.ワ行とヤ行 ここで、打ちやすい左手1個押すに「はまやらわ」が割り当てられているのを不思議に思いませんでしたでしょうか。「は行」は「はぱば」とあるので納得がいくのでは無いでしょうか。 ここで、「うーあ」(u-a)と言った時、「うーあ」(u-a)なのか「うーわ」(u-wa)なのか混乱することがあります。これは、ローマ字表記のwが実はuであることから来ています。ですので、ワ行ウ段はuuとなってしまい「う」となるので存在しないのです。ちなみにワ行イ段は「ゐ」、ワ行エ段は「ゑ」です。 また、「まりや」(mariya)と言った時、「まりや」(mariya)なのか「まりあ」(maria)なのか混乱することがあります。これは、ローマ字表記のyが実はiであることから来ています。ですので、ヤ行イ段はiiとなってしまい「い」となるので存在しないのです。ちなみにヤ行エ段は、平安時代位までは存在したそうなのですが、その後失われたようです。 この事から、「わ」と「う」、「や」と「い」を関連付けると良いと考えました。ここまでで「はやわ」を1個押すにしました。ここまで来たら「まら」も一個押すにした方が良さそうです。そこで「はまやらわ」を一個押すにしました。二個押すの隣り合う指を押すに「ぱあかさた」を割り当てました。二個押すの一個離しに「ばながざだ」を割り当てました。 空いているワ行ウ段ですが、口の形から連想出来る「。」を割り当てました。ヤ行イ段ですが、「、」を割り当てました。ヤ行エ段には、「ん」を割り当てました。 右手側の母音ですが、「あえいおう」の並びにしました。「あいうえお」より、発声練習で使われる「あえいおう」の方がなんとなく良いような気がしていたので、並べてみると、左手側を「はまやらわ」にした時に、「わ」と「う」、「や」と「い」が同じ指になりました。 7.M式キーボード 僕が注目していたキーボードにM式キーボードというキーボードがありました。これはNECの森田正典さんが開発したキーボードです。日本語の和語(訓読み)には、桜や寿のように3音節や4音節の物がありますが、漢語(音読み)には、1音節か2音節の漢字しか無く、しかも2音節目は、「ういんくきつち」の7つに絞られると言うことが知られています。この事を利用したキーボードがM式キーボードです。森田さんは、この7つと1音節の8つを5種類に分類しました。単音節、二重母音(うい)、促音(ん)、K型(くき)、T型(つち)、これと平仮名の一つ、計6通りを3段+シフト3段で収めました。ここで、キーグリップは1個押すから4個押すまでを使えば、5通り6系統になります。しかも3個押すは2個押すの反転、4個押すは1個押すの反転で、3個押すと4個押すは、2個押すと1個押すのシフトと見る事が出来ます。ばっちり、M式キーボードに対応させる事が出来ます。しかし、そうすると、殆どの組み合わせを使ってしまうので、使いたい時だけ有効にするのが良いかも知れません。
8.M式キーボードとキーグリップ ここで、M式キーボードの並びをキーグリップの並びに当てはめてみます。母音側だけ見てみます。 2回目、母音側 親人中薬小 ●○○○○ う(平仮名) ○●○○○ あ(平仮名) ○○●○○ え(平仮名) ○○○●○ い(平仮名) ○○○○● お(平仮名) ●●○○○ う ○●●○○ あ ○○●●○ え ○○○●● い ●○○○● お ●○●○○ うい ○●○●○ あい ○○●○● えい ●○○●○ うう ○●○○● おう ○●●●● うん ●○●●● あん ●●○●● えん ●●●○● いん ●●●●○ おん ○○●●● うk ●○○●● あk ●●○○● えk ●●●○○ いk ○●●●○ おk ○●○●● うt ●○●○● あt ●●○●○ えt ○●●○● いt ●○●●○ おt ここで、辞書でカ行あkには核を割り付けるという事をしておけば、両手なら1回、片手だと2回(カ行、あk)で1文字を入力出来ます。ただ、「あき」と「あく」が同音となるので、同音異義語は増えてしまうのが欠点です。 9.かむ さて、コンピュータ、パソコンと言った言葉ですが、漢字で表せると良いと思っていました。電子計算機は論外です。中国の「電脳」は、中々良いのですが、出来れば漢字一字で表したいと思っていました。そこで思い付いたのが石偏に氏という漢字です。CPUやメモリはシリコンから出来ていて、シリコンは石から作られるので石偏とし、紙の代わりになる物として、紙の旁を貰ってきて、旁は氏としました。音読みで「し」、訓読みで紙の次に来る物という事で「かむ」は、どうでしょう。(石偏に氏)表(しひょう)で、表計算ソフト、(石偏に氏)書(ししょ)で、ワープロソフトというのはどうでしょう。
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